対処すべき課題
当社が継続的に安定した成長を続けていくためには、当社の強みである各事業における専門性やECに主軸を置いたビジネスモデルを活かし、顧客からの信頼やブランドの認知力を向上させ、安心・安全に取引できる環境を提供することにより、収益基盤を高めていく必要があると認識しております。そのための施策として、以下の事項に取り組んで参ります。
各事業における専門性の向上
当社の営むカメラ事業、時計事業、筆記具事業、自転車事業ではいずれも専門的な知識が求められる「価値ある商品」を取り扱っております。特に、中古品については、価値ある「財庫」品を確保すること、及び「財庫」の価値を見極める商品知識豊富なエキスパートである「人財」が不可欠と認識しております。専門性を高めるため、商材ごとに屋号を別々に展開しています。さらに商材ごとに1店舗のみ運営している実店舗でのリアルなお客様との接点によるスタッフの専門性の向上、接客のノウハウをECサイトに活かすなど、ECとリアルの相乗効果による質の高いサービスの提供を可能とする仕組み作りや、「1カテゴリ=1オフィス」として時計事業、筆記具事業の実店舗とECオフィスを1フロアーとし、情報発信機能強化を行い組織体制の整備を進めております。
IT人財育成とリテラシー強化
当社はこれまで、AIを積極的に活用し、お客様向けのサービスの構築や社内業務の効率化に取り組んでまいりました。EIC(Electronic IntelligentCommerce)企業への変革を目指していくうえで、最先端のテクノロジーに精通し、高いITリテラシーを備えた人財育成が課題であると認識しております。
柔軟性と創造力を備えた人財を育てることで、競争優位性のある企業成長を実現してまいります。
ECサイトの信用力(安心・安全)・利便性の向上
今後、さらにECサイトでの販売を継続的に拡充するためには、ECサイトでも、対面取引と同様に顧客が安心して利用できるサービスの提供を目指し、一層の信用力(安心・安全)や利便性の向上を図る必要があると認識しております。しかしながら2023年12月には、システム障害を起因として、カメラ事業で自社サイト以外の国内モール(楽天市場、Yahoo!ショッピング)への出店を一時停止しました。ECにおいて安心・安全なお取引の根幹となるのは、当社基幹システムやECシステムであり、この堅確性・堅牢性向上に取り組みます。合わせてECにおけるサービス拡充への対応としては、EC買取における新たな仕組み(「ワンプライス買取」、「先取交換」、「買取リピーター」)の導入、スマートフォン対応の販売チャネルの追加、商品検索機能の大幅な改善、EC取引上のセキュリティ強化等によるECサイトの継続的なリニューアルを実施してまいりました。また、EC会員へ向けたログイン後トップページにおいてお客様ごとに様々な情報をお届けする「One to Oneマーケティング」の取り組み、商品掲載画像の増量とコメントの充実、中古商品詳細ページへの動画掲載、商品レビューページ「コミュレビ」の機能向上などに取り組みました。さらに、フォトシェアリングサイト「EVERYBODY×PHOTOGRAPHER.com」とECサイトを連携し、商品購入後にカメラを楽しんでいただく場を作るとともに、投稿された写真を参考に、撮影に使用された機材を購入していただく新たな循環も構築しております。コロナ禍の状況においても、EC強化のための投資は継続し、Web上に長年蓄積された情報を最適な形でレコメンド配信する「AIコンテンツレコメンド」を導入しております。
今後もさらなる信用力(安心・安全)と利用者向けサービスの強化を続けることで、売上の向上に努めてまいります。
当社及びブランドの認知度の向上、新規Web会員数、アクセス・PV数の増加
当社は事業ごとに以下の屋号を用いて事業展開をしており、当社及び専門店としての各ブランドの認知度を一層高め、新たな利用者(新規Web会員数)を増やしていくことが課題と認識しております。
事業名 | 屋号 |
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カメラ事業 | Map Camera |
時計事業 | GMT、BRILLER |
筆記事業 | KINGDOM NOTE |
自転車事業 | CROWN GEARS |
当社はこれら各ブランドの関連情報サイトから、専門店としての魅力ある商品関連情報を毎日発信しているほか、LINE、YouTube、Facebook等のソーシャルネットワークを活用して愛好家のためのコミュニティの運営や情報発信、さらには、情報アプリを通じて、当社からの情報に加え、国内外のメディアから発信される取扱商材に関連した記事を配信しています。また、2019年12月にBRILLERをオープンさせ、レディースブランドサロンとして、レディース高級腕時計及びブランド品等の魅力がより直感的に伝わるよう商品写真をメインとしたサイトを構築したほか、カメラ事業においてスマートフォン特化型WEBマガジン「Stock Shot」の発信開始、顧客同士のカメラに関する質問・回答のコミュニケーションによって質の高い情報のやり取りが生まれる「EVERYBODYコンシェルジュ」の追加やシュッピンポイントを集められる様々なイベント「ポイントプログラム」への導線改善等を実施しました。2025年1月には更に「ポイントプログラム」のバリューアップを行い、よりお客様にとって付加価値の高い独自サービスとなりました。また、Web上に長年蓄積された情報を最適な形でレコメンド配信する「AIコンテンツレコメンド」の導入や、YouTube等の動画コンテンツの制作も強化しており、今後も様々な情報の発信を通じて、当社及びブランド認知度の向上、集客のためのプロモーション強化を積極的に行い、当社ECサイトの新たな利用者を増やしていくことが必要と考えております。
商品在庫の価格変動における対応力の向上
当社商品の市場価格は変動を伴うものとなっており、特に時計事業においては商品単価も高く、時計相場の大幅な下落や、為替相場の変動が発生した場合は、当社業績に大きな影響を与えることがございます。市場の動向に応じて、販売価格、仕入額を適切にコントロールし、経営におけるリスクを低減させるための仕組みが必要と考え、2024年4月には販売・買取価格設定支援「AIサポートMD」を導入しました。市場の動向や販売・仕入計画の達成が難しくなることを事前に察知する専門性を高めることに加え、よりデータやシステムを活用した管理が必要と考えております。