2025年1月6日 RECRUIT情報 INTERVIEW
【代表インタビュー】最先端の技術開発を、一流のパートナーと。トップが語る開発体制強化に向けた想い
カメラや腕時計などの価値ある新品・中古品を扱う専門店をECで展開し成長を遂げてきたシュッピン。
これまで難しいと言われてきたネットでの高額品の売買で実績を残してきました。
ECカンパニーの拡大を進める代表取締役社長の小野が、「安心・安全へのこだわり」「最新技術の活用」「組織事業のビジョン」を語ります。
テクノロジーの力で切り開くECの未来。各技術分野の最高の開発パートナーと共に
ー2016年に代表取締役社長に就任して以来、「お客様が安心・安全にサービスを利用できるEコマース」の構築推進へと大きく舵を切ってきた小野。今後はその方針をさらに加速させていく予定です。新しい開発部門の構築やシュッピンの今までと、これからについて小野が語ります。
小野:これまでは売上に直結する在庫に投資してきましたが、事業が安定してきた現在はテクノロジーへの投資をさらに拡大できるフェーズ。来期は開発部門を拡大してよりいっそうテクノロジーに注力し、お客様に喜んでいただけるような新しいサービスの提供をめざしていくつもりです
ーいつもテクノロジーに思いを馳せ、デジタル戦略について考えを巡らせることも多いと言う小野。いま求めるのは、共にアイデアを出し合い、かたちにできる仲間です。
小野:まずは当社のアイデアを一緒に具現化してもらえたらうれしいです。また、当社にはボトムアップの風土が醸成されていますから、自分の考えを提案いただくことももちろん歓迎します。高い技術力のある著名なベンダー各社が当社の要望に対して積極的に耳を傾けてくれるのは、東証プライム上場企業として信頼のある当社だからこそ。
最高のパートナーと共にプロジェクトに臨むことができるのは、豊富にアイデアがある人にとって理想的な環境だと思います
ーまた、社内に下流工程の開発組織を持たず、パートナー企業と共に想いをかたちにしていくスタイルを貫いてきたシュッピンならではのこんな醍醐味も。
小野:開発におけるすべてを内製化すると、どうしても知識が特定の技術に偏ってしまいますし、新しい技術の習得にも時間がかかります。一方、コンサルタントのような立場でベンダー任せにしマネジメントしようとすると、できあがったサービスやシステムがお客様や社内でどう活用され、どんな成果につながっているかを追い切れません。
しかし、私たちのような組織体制であれば、専門性を備えたベンダー各社と一緒に最高のサービス・システムを開発した上で、生み出したサービスが社内にもたらした成果を自分の目で見届けることができます。 とてもやりがいのある仕事です。テクノロジーへの関心が高く、【お客様に喜んでいただきたい】というホスピタリティに満ちた人の参加をお待ちしています
ー常に最先端の技術に触れながら、一流のパートナーと仕事ができる環境を提供したいと語気を強める小野。すべては、ECカンパニーとしてお客様にとって安心・安全なサービスを提供していくために。シュッピンはこれからもさらなる「シンカ」を続けます。
3チームによる新たな開発体制を構築。ビジネスを牽引する柔軟な組織づくりに向けて
ー新しい技術が生まれるサイクルがますます早まる中、今後もテクノロジーを積極的に活用したサービスを顧客に届け続けるため、シュッピンではエンジニア採用と開発部門を強化。現在1チームで行っている開発関連業務を3チーム体制とする構想を進めています。
小野:1つめが、新しいテクノロジーに関する情報をキャッチアップし、そのテクノロジーをビジネスのどこに適用できるかを考えるチーム。2つめが、既存のサービスの保守やメンテナンスを行いながら、最新テクノロジーを活用して業務を運用するチーム。そして3つめが、社内の業務効率化を推進するチームです。ツールの見直しやRPAの導入を通じて社員がツールをより便利に使えることをめざします。
それぞれのチームがさまざまな開発に携わることで、より良いサービスの提供につながると考えています
ーシュッピンでは常に最先端の開発環境に整えておくため、社内にプログラミングなどの下流工程体制を構築していません。その理由について小野はこう説明します。
小野:AIやChatGPTなどそれぞれの技術に特化した各社ベンダーと共に開発を進めることが、高品質のサービスを効率良く開発する近道だと思っています。AIならAI の最先端のベンダーと連携する。アルゴリズムならアルゴリズムの最先端のベンダー、ChatGPTならChatGPTの最先端のベンダーと共に、お互いに欠かせない最高のパートナーとしてプロダクトを作っていく。
新体制では各チームがそれぞれの分野のトップランナーを選定するところから始めて、協力しながらプロジェクトを進められる体制が理想ですね。狭い領域で専門にしがみつくより、どんどん最先端のものに触れていって、新しいテクノロジーをどう使いこなしていくべきかを考えるプロ集団をつくりたいと考えています
ー3チーム体制構想を前提としながらも、「エンジニアのジョブローテーションは活発であるべき」と話す小野。新たな組織づくりに向けた持論をこう展開します。
小野:ジョブローテーションといっても、部門をまたぐものではなく、プロジェクトに近いものを想定しています。たとえば、『これまで保守・運用を担当していたけれど、社内の業務効率化のための開発をやりたい』という社員がいれば、チーム間の行き来は大歓迎。良いものをつくるためには、それぞれが興味のあることに取り組むべきですし、そのほうが自身の成長にもつながると考えています
最新技術を活用して、安心・安全な高額商品の取引を支えるEコマースを実現
ー「インターネットを利用して『価値ある新品と中古品』を安心・安全に取引できるマーケットを創造し、社会貢献をすること」を企業理念として掲げるECカンパニー 「シュッピン」。
ー国内有数の規模を誇るカメラ専門店「Map Camera」、高級機械式時計を中心に取り揃える腕時計専門店「GMT」、レディースブランド サロン 「BRILLER」、筆記具専門店「KINGDOM NOTE」ロードバイク専門店「CROWN GEARS」のECサイトと店舗を展開しています。
ーシュッピンでは「リユース」という言葉は使わず、「リバリュー」という表現を用いています。その理由について小野は次のように説明します。
小野:当社が取り扱っているプロダクトは取り扱う商品は一見するとバラバラですが、どれも時代や国境を超えた価値を持っています。そのプロダクトにはつくり手のこだわりが詰まっています。私たちの事業がめざすのは、その価値や想いを次の持ち主に継承していくこと。だからこそ、あえてリバリューという表現を使ってきました
ーまた、カテゴリごとに専門店を展開しているからこその強みもあります。
小野:新品と中古品の両方を扱っていることから、多様なニーズに対応することができます。売上比率はおよそ半々。それぞれ専門店のWebサイトに専門性の高いコンテンツを掲載することで、ブランド価値も向上させています
ーECカンパニーとして市場内で独自の立ち位置を築くシュッピン。「4つの『シンカ』×バリューチェーン・シナリオプランニング」という独自の行動指針を軸に組織づくりを進めてきました。
小野:『4つのシンカとは『進価(Technology)』『新価(Challenge)』『深価(Knowledge)』『真価(Branding)』を、バリューチェーン・シナリオプランニングとは会社運営全体の効率化をめざした『Digital(非接触)』『Resilience(強靭性)』『Solidity(固体性)』『Agility(敏捷性)』をそれぞれ指しています。
当社では、これらが社内のすべての取り組みと全社員の行動目標に紐づくものとして位置づけられています。たとえば、目標を立てたり振り返ったりする際に、『私のこの業務は、ナレッジ向上につながるから、今回の目標は深く掘るという深価だな』と。そこから『これってバリューチェーン・シナリオプランニングのResilience(強靭性)に当てはまるんだ』と理解していくように、自分の貢献部分を選定・認識することができます。
『どのシンカに対応する目標なのか』『自分の行動はバリューチェーン・シナリオプランニングのどの部分に該当するのか』を意識することで社内エンゲージメントの強化を図り、社員と会社が共に成長することをめざしてきました。
社員に対してこれらの目標設定や振り返りを推奨しているのは、『作業』ではなく『仕事』をしている感覚を抱いてもらい、自分の仕事が会社に貢献していることを実感してもらいたいからです。少数精鋭の組織がEコマース中心に400億円以上の売上を立ててこられたのは、こうした意識が浸透しているからだと考えています
ー2005年のシュッピン設立当時は「ECでは難しい」と言われていた高級品の売買を見事軌道に乗せ、ECカンパニーとしてカメラを主軸としたビジネスを展開してきたシュッピン。以来、20年近くにわたってお客様にとって安心・安全な環境構築をめざし、たゆまぬ努力を続けてきました。
小野:2012年に上場したのも、インターネットで高額な商品の取り引きを行うことに抵抗感のあるお客様に対して、わかりやすく安全性を示したかったからです。会社を設立したころから、インターネットで高額商品の売り買いを行うことが当たり前の時代が到来すると信じ、そのために何が必要かを考えながら事業展開してきました
ー2016年に小野が代表取締役社長に就任してからとくに注力してきたことの1つが、最新技術の活用です。背景にあったのは、ECサイトでお客様に新しいサービスや買い物体験を提供したいという切なる願いでした。
小野:たとえば、当社が運営するEコマースのレビュー機能は、実際に商品を購入したお客様だけがレビューを書ける仕様とし、信頼性を担保しています。その裏側では、購入した方に最適なタイミングでメッセージを送信し、レビュー執筆の依頼と特典の案内を行うアルゴリズムが走っています。
テクノロジーを活用しつつ、お客様にも支えてもらいながら、高い質を担保する当社ならではのEコマースを育ててきました
さらなる成長に向け、テクノロジーへの投資と海外進出の強化を
ー商材ごとに実店舗も構えるシュッピンですが、1事業当たり1店舗のみの運営。店舗展開へのコストをかけないことで適正価格での売買を実現してきました。
小野:いわゆる小売業にとっては、商品を販売して売上を立てるのがビジネスモデルの基本。ですが、必要なのは店舗数を増やして事業を拡大することではなく、商品やコンテンツのラインナップを増やすことだと当社は考えています。
多店舗展開すればそれだけ家賃など固定費が発生しコスト増となります。そのため、当社では商品在庫を1カ所に集中・拡充させることと、テクノロジーへの投資を通じてお客様にサービスを提供することに重点を置いてきました
ーシュッピンの主戦場は、あくまでEコマース。だからこそ、グローバルな事業展開にも意欲的です。
小野:私たちが扱うカメラや、高級機械式時計には世界中で価値が変わらない人気の商材です。国境の垣根がない世界共通のプラットフォームであるインターネットを主軸にビジネスを展開しているので、海外市場には大きな可能性を感じています。
当社が大切にしているお客様満足を第一としたきめ細かなサービスと価値ある商品を海外のお客様にも届けたいとの想いで、北米最大規模のプラットフォームである『eBay』にもMap CamaraとGMTを出店し、『eBay Japan Awards 2022』では『Map Camera』が『Seller of the Year(最優秀賞)』を、また2年連続でMap Camara、GMTがそれぞれカテゴリー賞を受賞するなど、グローバル市場でも成果が現れ始めているところです
ーまた、海外で日本の中古品の品質が高く評価されていることを受け、シュッピンではクオリティ担保のための投資にも注力。カメラの初期不良をなくすことを目的として技術力の高い修理企業と資本業務提携を結ぶなど、商品のコンディションチェック体制の強化を図っています。
ー投資領域を見極めながら、さらなる事業成長に挑み続けるシュッピン。その基本姿勢と戦略は、会社設立時から何も変わっていないと小野は強調します。
小野:事業を始めたころ、家電量販店含む他社と当社では店舗面積では足元にも及びませんでした。しかし、インターネット上ではお客様の見るデバイス画面の大きさは、当社と他社でもまったく違いがありません。『インターネット上でなら、専門知識が豊富な当社にも勝機がある』と確信してこの事業に懸けてきました。
現在のシュッピンがあるのは、新しいテクノロジーに投資して安心してサービスを利用できる環境・仕組みを取り入れ、プラットフォームの整備を進めてきたからこそ。ビッグデータやAI、ChatGPTといった最新技術をどうビジネスに活用すべきか、当時と同じようにいまも考え続けています