2025年1月6日 RECRUIT情報 INTERVIEW
【CIOインタビュー】システム・営業の垣根をなくしお客様本位のシステムを──新たな組織体制がめざすもの
カメラや腕時計など専門性の高い商材を扱うECカンパニー・シュッピン。その中核を担うシステム部門と、お客様に近い立場の営業部門との連携を強化する組織改編が、2024年5月に行われました。組織改編の目的、今後のシステム部門のあり方、そしてシュッピンのめざす姿について、常務取締役の齋藤が語ります。
営業部門との連携強化で、お客様視点を持つシステム部門へ
ー急速に変化するテクノロジーの最前線で、ECカンパニーとして常にお客様のニーズに応えるサービスを提供し続けるシュッピン。さらなる成長を遂げるため、2024年5月にシステム部門と営業部門の連携を強化する組織改編が行われました。
齋藤:これまでシステム部門は、主に営業部門からの要望に基づいて開発を進めていましたが、今後はシステム部門主導でどんどん開発を進めていきたいと考えています。
ーそう語るのは、常務取締役でCOO兼CIOの齋藤。開発においては最新テクノロジーの活用に意欲を見せます。
齋藤:当社は小売からスタートしましたが、早い段階でインターネット環境を構築してきました。今後は生成AIやChatGPTの活用、さらにはまだ日本に広まっていない最新のテクノロジーを導入し、いち早くお客様にサービスとして提供したいと考えています。
ー新しいテクノロジーを導入するにあたっては、単に最先端を追うのではなく、『お客様本位』の視点を常に持つことが肝要だと齋藤は強調します。
齋藤:お客様本位の考え方は、現場でお客様に接する営業部門だけでなく、会社全体で体現していくべきものです。シュッピンの成長を支えてきたのは、何よりもお客様の存在。だからこそ、システム部門もお客様に寄り添ったサービスを提供できる部門になることが求められています。
ーそれを実現するために行われたのが、今回の組織改編です。
齋藤:お客様の視点に立ったユーザビリティやコンテンツの必要性を考えられるシステム部門にすることが、今回の組織改編の大きな目的の一つです。お客様本位の考え方を社内に浸透させ、営業部門とシステム部門が一丸となって、より良いサービスの提供をめざしていきます。
決定スピードの向上を、シュッピンの新体制で実現する
ーシュッピンの進化といえる組織改編。具体的な構想について、齋藤は次のように説明します。
齋藤:営業部門とシステム部門を統率する事業戦略本部を新たに設置しました。今後メンバーは営業部門とシステム部門の両方から人選し、両部門の考え方や情報をうまく融合させ、シナジー効果を生み出すことをめざします。
ー齋藤自身の役割も大きく変化します。これまで営業部門を統括するCOOだったところ、システム部門を統括するCIOも兼任することで、今まで以上にスピーディーな意思決定が求められるように。
齋藤:組織改編前は、営業部門とシステム部門にそれぞれ別の取締役が就任し統括していました。これからは私が両方統括することになったので、意思決定のスピードが早まると考えています。
ー営業部門とシステム部門が一体となって事業を推進していく。そんなシュッピンの新たな組織体制に、齋藤は大きな期待を寄せています。
齋藤:営業部門は日々現場で、お客さまが何を求めているか、どうしたら喜んでいただけるかを考えながらサービスを提供しています。改善を繰り返すことでお客さまの満足度が上がり、実際に高いリピート率を維持しています。
一方、システム部門は開発して提供した段階でプロジェクトとしての役割は大方終わってしまいます。納品して終わりではなく、営業部門と並走していかないといけません。営業部門から改善案や新規提案を言われるまで待つのではなく、変えないといけないことや、進化させるべきところを自分たちで考えられる部門に、今後なっていくと期待しています。
お客様さまのニーズに迅速対応──部門の垣根を超えて手を取り合う
ー組織改編の背景には、営業部門とシステム部門の連携が生み出してきた大きな実績があります。AIMDという、中古カメラの買取・販売価格を需給に合わせタイムリーに自動設定をするシステムの導入は、部門間連携の好例だと齋藤は説明します。
齋藤:AIMDの導入以前は、中古カメラの販売価格や買取価格の変更作業に膨大な時間と手間が掛かっていました。1日に1人で対応できる商品の価格変更は100アイテムが限界。それがAIによって今では1日に1000アイテム以上の商品を対応できるようになりました。
このシステムを実現するため、当時営業部門の責任者だった私は、まずシステム部門と協力会社様の担当者に、営業部門が日々行っているオペレーションをすべて言語化し、共有しました。営業部門は相場をどのように見て判断しているのか、買い取った後に修理業者へ商品を何日で依頼しているのか。
その後、人では取り込むことのできない外部情報や日々ご利用いただいているお客様のニーズを取り込み、試運転の際は何度も調整を繰り返しました。
ー現在、社員の作業効率、そして収益面で大きな効果を上げているAIMD。ほかにもお客様目線を活かした機能があると齋藤は言います。
齋藤:AIコンテンツレコメンドではお客様が登録した希望商品の価格変動や、商品情報の更新などお知らせが届く仕組みになっています。こちらも、お客様との接点を大事にできる仕組みだと思います。
連携というのは、営業部門の社員もシステム部門の社員も同じ目標に向かって共にアイデアを出し合い、時にはぶつかり合いながら、より良いものを作り上げていく過程だと思います。簡単なことではありませんが、そこから生まれるものの価値は計り知れません。私たちはこれからも、お客様のニーズに迅速に対応できるよう、部門の垣根を越えて手を取り合っていきたいと思います。
部門間の連携が切り拓く、新たな価値創造への道
ー新たな組織体制の中心となり改革を進める齋藤。経歴をたどると、まさにシュッピンの歴史そのものだと言えます。
2001年、カメラが好きだった齋藤は、シュッピンの前身となるマップカメラで店頭販売員としてアルバイトからスタート。シュッピン設立後は、中古の買取部門、内覧の中古メンテナンス部門とさまざまな部署を経験し、時計専門店のGMTの立ち上げにも関わります。
シュッピンの基幹システムを作る際にも、営業部門の代表として参画。営業部門とシステム部門の架け橋として活躍しました。
齋藤:当社で稼働しているホームページや、内部で使っているシステムの開発は、私自身もほとんどすべて営業部門として携わっています。その経験が今、システム部門のトップであるCIOの就任につながった所以だと思います。
ー現在、齋藤は海外での販路拡大にも力を入れています。
齋藤:海外販売を推進しているグローバル戦略部を、さらに大きくしていきたいと思っています。今までは北米やヨーロッパの一部地域のみで販売していましたが、これからヨーロッパはもちろん東南アジアなどにも広げていきたいですね。当社の取り扱っている商材は、世界共通の価格帯で販売されている『価値ある商品』なので、まだまだ伸びしろがあると考えています。
海外マーケットにおいてシュッピンの強みとなるのが、徹底した品質管理。当社は安心・安全を企業理念としていて、商材はほぼすべて修理会社にメンテナンスに出し、動作確認をしています。高品質という強みは、海外のどの地域にも負けないと自信を持っています。
ー海外展開する際に重要なのが、やはりシステム部門と営業部門の連携だと齋藤は言います。
齋藤:商材を保持しているだけでは海外展開はできません。たとえばどんなデータをどの時間帯に送るかなど、営業戦略とシステムが噛み合って初めて展開できます。システム部門と営業部門がワンセットで動くプロジェクトが増えていくので、私がしっかりと舵取りをして、両部門の力を発揮していきたいですね。
ー変化し続けるシュッピンだからこそ、ポジティブにチャレンジする人材が求められています。
齋藤:現時点で最先端のテクノロジーと言われているものでも、10年後、20年後にはそれらを超えたテクノロジーが誕生している可能性があります。その時に、現状に満足せず、お客様向けにどんな新しいサービスをつくり出せるか考えられる方は、当社に合っていると思います。お客様本位の姿勢で、共に高みをめざしていきたいですね。
ーお客様のニーズに応え、最高のサービスを提供するために、システム部門と営業部門が手を取り合い、新たな価値を生み出していく。そんな「挑戦」と「協働」の文化が、シュッピンの未来を切り拓いていきます。
※ 記載内容は2024年5月時点のものです